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ルビーレッドの瞳15
 それにしても、成功だ。俺のこの弱々しい外見からは大天使候補ではないと思わせることができる。聖宮姓だからなおさらだ。

 魔宮のセリフを聞き流し、俺は未だに肩をつかむ空峰さんに言った。もうそろそろいいだろう。


「空峰さん。行きましょう」

「……ああ、そうだな」


 二人して踵を返す。が、俺は魔宮に腕をひかれ、もう一度後ろから抱き締められてしまった。


「っ、離してください!」

「…抱き心地は悪かねぇな。けどだっせぇ眼鏡かけてるから顔はどうかな…。とりあえずさ、」


 聖力吸わせろよ。


 そう言われた瞬間、魔宮は腕を振り上げて、空峰さんに攻撃をしかけた。


「雷よ。我が敵を麻痺させよ」

「――っ、魔宮、貴様……!」


 歯をぎりぎりとくいしばり、空峰さんは地面に倒れこむ。俺は慌ててかけよろうとしたけれど、魔宮に体の向きを直されて無理やりあごをつかまれた。


「、離せって言ってんだろ!」

「聖力吸ったらな。すぐすむから待ってろよ」


 振りほどこうとしても、魔宮のほうが体格もよく力も強い。俺はこの日、本当に華奢な自分を呪った。


「なあ、眼鏡とっていいか?」

「聖宮君、駄目だ!」


 それに答えたのは空峰さんで、俺はあわてて眼鏡をつかむ。

 俺から眼鏡をとるのは無理そうだと思ったのか、魔宮はかったるそうに空峰さんを見て舌打ちした。

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あきゅろす。
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