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ルビーレッドの瞳12



 * * * * * * 



 俺と空峰さんは連れだって歩き、今は学園生活に関する話をきいていた。たとえば寮の消灯は夜十一時で、食堂は朝六時からあいていて、しまるのは夜十時半。教室には朝九時までについていけなければならなくて、、スーパー、娯楽施設、大浴場、ショッピングモールがある別棟は夜十時でしまる。そのようなことだ。

 そして次に同室者の話に移った。


「君の同室者は原ユキくんだ。大人しいけれどとてもいい子だよ。彼は頭が良くて逃げ道をしっかり考えられるから、今のところ襲われる回数は少ないんだ」

「え……、生徒全員の襲われる回数を把握しているんですか?」

「もちろんだ。襲われる回数が多い者はすこし対策をこうじている。だが最近は快楽におぼれ、自分から聖力を吸わせたり抱かれたりする天使が増えているんだ」

「増えているんですか…」


 正直現実味はないが、この学園ではありえることなのだろう。同じ天使としていささか微妙な気持ちになってしまった。というか俺も襲われたりするのか……?ああ、憂鬱だ。

 校舎をでて、道にそって歩いていく。可愛らしい鳥のさえずりが聞こえる。けれどもう夕方と言っていい時間帯だ。カガミさんのところにずいぶん長居していたらしい。

 遠くに見える太陽が鮮やかで、俺は目を細めた。

 しばらく無言だったが、空峰さんは口をひらく。


「聖宮君、生徒会の話はきいたな?」

「はい。風紀会の話もききました」

「ひとつつけたしがあるんだ。カガミはきっと悪口めいたことはいわないから、言っていないだろう。…生徒会の会長、魔宮心(マミヤシン)には気を付けろ。むしろ関わるな。あいつは将来の魔王候補で、学園で一番力が強い。まあ元の姿の聖宮くんと力は同等だと考えていい。それほど彼は――強い」

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