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ルビーレッドの瞳11
 空峰も葵も、父が言うには俺に学園にいくよう言っていたというから、バックアップに協力してくれるんだろう。どちらも当主はご老体だから、こちらの空峰さんも息子のほうだろう。


「待ってたよ。アカリ」

「遅くなってすまない。馬鹿な生徒がいたので少し懲らしめていたんだ」

「恨みをかわない程度にしてくれよ。君がいないと困るよ、寮監督さん」


 クスクスと笑うカガミさんに、空峰さんは苦笑いで返す。


「ああ、気をつけよう」


 なんだかいい雰囲気だ。和やかというか、信頼している者同士が醸し出す空気が感じられる。

 そういえば学園内ではこういった友達っぽい雰囲気ではなく、恋愛的な雰囲気を持つ者たちがざらにいるという。しかも天使と悪魔でだとか。正直俺には考えられないから、慣れるまで大変かもしれないな。

 そんなことを考えながら目の前の男性を見ていれば、彼は口を開いた。


「君が聖宮君か。私は空峰アカリだ。この学園の寮監督をしている。よろしく」

「あ、はい。よろしくお願いします」


 どこか厳しげな目つきに、確かに空峰公の面影を感じる。あの人はとても厳しいからだ。けれどそれは向上心故の厳しさであって嫌みなものではない。

 そう空峰さんに伝えれば、


「褒められているんだよな。ありがとう」


 そう言って、奇麗な微笑をたたえた。

 俺も同じものを返しながら、次にきこえてきた言葉に頷く。


「さて、聖宮くん。これから蒼玉寮に案内するからついてきてくれ。同室者についても行きながら説明しよう」

「わかりました、お願いします」


 それから、カガミさんに挨拶をして二人そろって部屋を出た。カガミさんは今度は遊びにおいでと言ってくれたので、時間があるときにまた来たいと思う。

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