捧げもの
お勉強 由宇ちゃんへ 1827
口を尖らせてそこに鉛筆を乗せる、そんな事も出来ないから仕方なくペン回しに挑戦する
俺の成績と同じく鉛筆は床に落ちた−−−−
「僕の話、聞いてた??」
「あっ!!は、はい……!!」
自分のすぐ隣りにいる端正な顔立ちの恋人が眉をひそめながらこちらを見ている事に気づき慌てて同意した
「じゃあ1894年は?何があったの?」
「えっと……関ヶ原の戦い……?」
無言でトンファーを構えるその人は……大変怒っている。しかし、そんな姿にさえつい見とれてしまう俺は相当重症らしい
「覚悟は出来てるよね?どうして80年代後半に鎧兜を着た大名が合戦してるんだい??」
ジリジリとくっついてしまうんじゃないかと思うくらい近づいてくる整った顔
「ごっ、ごめんなさい……!!あの、あんまり雲雀さんが近かったから集中出来なくて……!!み、見とれちゃって……」
言葉の最後に向けて急速にボリュームが落ちてしまったが何とか伝わったようだ、彼はトンファーを下ろしてくれた
「も、勿論俺がいけないんですよ!?つい雲雀さんの事見ちゃうのは!!」
慌てて付け足す
決して俺が集中出来ないのは雲雀さんのせいではないと
でももしどうしても彼のせいにしろというのなら、それは雲雀さんの美しすぎる……。とんでもなくクサい言葉が頭に浮かんで必死にかき消そうと首を振る
その様子を見てなのか、綺麗に縁取られた唇から飛びきり素敵なアルトが漏れた
「あの、雲雀さん……??」
いきなり笑い出した恋人をお伺いを立てるようにそっと見ると
ポンッ
頭に彼の手の心地よい重みを感じた
「辛いのは綱吉だけじゃないんだよ?僕だって四六時中好きな人が隣りにいて何も感じないとでも思った??」
1894年 日清戦争
2009年 お勉強会の乱
※ただし乱を起こした二人はどちらも幸せだった
テストには出ないけど、絶対忘れない
年号と
耳元ではためくカーテンの音と、少し甘かったキスの味
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