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捧げもの
秘密 雲雀誕生日企画小説(提出物)1827


5月5日−−−−祝日なんて僕には関係ない
いつも通り学校の応接室に向かう
高級な革を使ったソファーに厚くニスが塗られ、磨き上げられた机

僕の落ち着ける場所

さあ今日も仕事しなくちゃね、並盛の風紀のために




「おい、ツナ。時間じゃねえのか?」

−−−−時間?だって今日は祝日だから学校なんて…………あ!!5月5日!?
俺は慌てて飛び起きた
「まずっ……うわっ!?11時過ぎてる!」
今日はいつもより早く起きて雲雀さんに手紙を書いて、母さんに教えてもらって作ったケーキと一緒にそれを渡す−−完璧な計画だった、昨日までは
寝ぐせのついた髪も気にせず、手紙も諦めてケーキの箱を掴み家を飛び出す
雲雀さんがいるであろう並中応接室に向かって




「ふう」
仕事が一区切りついて、コーヒーでも飲もうかと席を立った時
「?」
窓から校門を乗り越えて校舎に侵入する人影を見つけた。誰かは分からないが、確かに侵入者だ
「咬み殺さなくちゃね」椅子に掛けていた学ランを肩にかけた




「痛っ……ケーキ、大丈夫かな」
意を決して校門によじ登り校舎に入ってみたものの、運動神経のなさからなのか、それとも焦っていたからなのか思いっきり頭から落ちてしまった
「でも急がないと!もしかして雲雀さんもういないのかな……。とにかく応接室に行こう」
幾分いびつになった箱を抱え、校舎に入る。そして全力疾走でそこへ向かった




「わ……ドキドキしてきた」
重厚な造りのドアと、この先に雲雀さんがいるかもしれないという緊張で自分でも分かるくらいに心臓がドクドクと鳴っている
思い切ってドアノブに手をかける




さあ、準備は出来た。あとはどう始末するかだ。ちょうど仕事で疲れていたし、今日の獲物は−−誰だか分からないけどじっくり咬み殺してあげよう
ドアノブに手をかける




カチャリ−−−−




「「え?」」




「君、休みの日に何してるの?」
そこに立っていたのは二年の沢田綱吉
まあるい目をキョロキョロさせながらこちらを見ている




「あの、雲雀さんにこれ……渡したくて」
そこに立っていたのは並盛風紀委員長の雲雀さん
怪訝そうな顔つきでこっちを見ている
「どうぞ……!お、お誕生日おめでとうございます!」
箱を突き出す



「リボン、縦結びなんだけど」
目の前に突き出された箱を受け取りながら言う。そうか、今日は僕の誕生日だっけ



「うわっ、すみません!でも、中身は大丈夫……じゃないみたいですね……」
雲雀さんによって開けられた箱の中身は盛大にクリームを四方の壁に飛び散らしていた


「別にいいよ。君がくれたんだから」
そう、この子が作ってくれたのなら、僕を思って時間をかけてくれたのなら、なんだって嬉しいよ。でもね……


「え?」
てっきり咬み殺されると思っていたのに、雲雀さんの意外な反応に驚く
そう、あなたはいつもそうだ。優しく笑ってくれる。だから俺は何だって出来るんだ。でも……




僕が
俺が


綱吉を
雲雀さんを




「「好き」」って事は、まだ秘密





終わり
 






はい!!雲雀誕生日企画に出させていただいた小説でした。
あなたが生まれて来てくれて本当に良かった!!
綱吉もきっと、いや絶対そう思っているはず!!(笑)
こんな拙い文章でしか表現する事が出来ないけれど、全国のいや全世界の雲雀さんファンの方と少しでもこの喜びを共有出来れば嬉しいです(^^)

雲雀さん、誕生日おめでとう!!


あきゅろす。
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