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捧げもの
開放予定は未定です



季節はもう寒々とした冬
街には大小、色とりどりの電飾が飾り付けられて行き交う人達の目を楽しませている
勿論並盛も例外ではなく、商店街は赤と緑の組み合わせで溢れ、クリスマスを連想させる

誰もが浮かれて、人の目を気にせずにはしゃぐことの出来る季節。それがクリスマスだ−−−

しかし、季節やイベントなどの力を借りずとも日頃から人目を気にせずにいちゃついている二人にさらに雰囲気を盛り上げる行事を加えたらどうなるのだろう
それはそれは大変な、例えるならば一種の「公害」級の甘い空気を発散する訳で−−−


「雲雀さん、あの……もうそろそろ」

「やだ」

「こ、困ったな……。折角雲雀さんへのプレゼント準備したのに。このまま雲雀さんに抱きしめられてたら取りに行けないじゃないですか!」

「わかった。特別だからね。10秒以内に戻ってこなかったら抱きしめ殺すから」

「何ですか、抱きしめ殺すって!!でも…、それって結構嬉しいかも…です」

「それじゃあ罰にならないじゃない。そうだな、じゃあ10秒以内に戻ってこなかったら僕と結婚しなよ」

「もう……!!絶対戻って来ませんから!」

「お前ら、頭の中に生クリーム詰まってんじゃねーのか。俺が脳天ぶち抜いて中から出してやるから二人揃って死んで来い」

「赤ん坊……。二人揃ってなんて、なんて素敵なこと言ってくれるんだい?」


他の追随を許さない究極の甘さが並盛中の応接室から漏れ出していた
孤高の浮雲と謳われたボンゴレの雲の守護者は今やすっかりボスの恋人となり、いっこうにボスから離れようとはせず、綱吉の上に停滞を続ける梅雨前線よりも性質の悪い雲となった
またボスである綱吉も傍に雲雀がいることが当たり前となっており、半径1メートル以内に雲雀の姿・気配を感じていなければ終始ソワソワするという困った症状が出始めている

もうこの二人のベタツキ加減を形容する言葉が見つからない程、彼らは積極的に愛を育んでいるのである


「おいツナ、これは家庭教師命令だ。これから一週間雲雀に触れること及び言葉を交わすことを禁止するぞ」

「なんで!?雲雀さんに触れない生活なんて考えられないよ!!どうしよう、雲雀さん……!!」

「……君の気持ちはよく分かったよ赤ん坊。僕に、雲雀の姓を捨てて沢田になれって言うんだね?」

「え!?じゃ、じゃあ……、俺達とうとうリボーンも公認の仲になれるってことですか!?」


もう何をいっても無駄だと、窓越しに降りしきる雪を眺めながら家庭教師は思った







あきゅろす。
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