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捧げもの
大好きの反対




「別れようか」


今まで生きていた世界が、停止した



ずっとずっと、俺だけの一方的な好意なんだろうと思って伝えられなかった気持ちが弾けたのはどれほど前のことなんだろう


「好きな気持ちに性別なんて関係ないでしょう?」

落ち込んだり、涙が出そうになった時
サラリと雲雀さんが紡ぐ言葉の一つ一つに元気づけられて、自分の悩みなんてとてもちっぽけでバカみたいだと思えた

いつも元気をくれる
いつも包み込んでくれる

そんな貴方にいつの間にか俺は、甘え過ぎていたんだ



「どうしてですか…?俺、直せるところがあれば……」

「このままじゃ、ダメになるよ綱吉。ごめん……重いんだ、君が」


いつから俺は貴方の重石になっていたんですか?
どうすれば貴方の隣りにいさせてもらえますか?

なんでこんな風になっちゃったんだろう


「もう独り占めしたいなんて言いません。逢いたいですってワガママも言いませんから……、だから側に、側にいさせてください……!!」

自分でもみっともないと思う位情けない台詞

しばらく経ってから開かれた貴方の口から出てきたのは



「終わりにしよう、綱吉」の一言だけだった

嫌だとも、待ってとも言えずに機械的に頷いたのは最後の雲雀さんへの愛情表現




大丈夫
まだ俺、ちゃんと雲雀さんのこと嫌いだ

毎日キリキリする胸をそんな呪文で押さえつけて、必死に違う事を考えるように努める

気が付くと目で追ってしまう貴方の後姿も
もう追いかけないと、追いかけてはいけないと言い聞かせて
少し手を伸ばせば届いていた貴方の背中が見えなくなるまでギュッと目を瞑って耐える

大好きなんです、雲雀さんのこと
でも、その貴方が俺のことを嫌いと言うのなら
重たいと言うのなら
俺も貴方のこと、嫌いになれるように頑張ります





雲雀さん、大好きの反対は本当に大嫌いですか?




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