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REBORN!短編
特等席1827■



「雲雀さん、何歳かはよく分からないですけど多分25歳の誕生日おめでとうございます!!」

パンッという音と共に、クラッカーからキラキラした紙と君の笑顔が飛び出した
ボンゴレアジトと繋がるこの風紀財団所有の部屋で、僕は10回目の「誕生日おめでとうございます」を貰った

「有難う。今年も祝ってくれて嬉しいよ」

これまた10回目のお礼の言葉を述べると、君は「またその台詞!十年前からずっとじゃないですか!!」とふてくされて言った。言うまでもなくこの一連のやり取りもまた、数年前から続くものだ
ソワソワしながらプレゼントを渡してくれる綱吉。プレゼント自体よりもそんな君の姿が可愛くて嬉しくて。箱のリボンをほどく前で僕はもう満足なんだ。綱吉が悩んで、迷って選んでくれた。それだけでもう、僕は何もいらないんだよ?君は気づかないままだけど−−−


「どうですか…?気に入ってもらえました?」

不安げな顔で感想を求める綱吉に、黙って笑いかける。これだけで僕らはお互いの気持ちを理解出来るんだ
安心の色を見せた君に、僕はあと一つだけお願いしてみる。誕生日を迎えた者の特権として。そして沢田綱吉の恋人として




「綱吉、君と過ごしたこの十年間はスゴく楽しかったよ。お互いに強くなれたし、君の色々なことも知ることが出来た。そして今日を迎えることも。約束、覚えてるでしょ?」

そう尋ねれば、綱吉もまた先程の僕と同じように黙って僕に笑いかける

「じゃあ、始めようか」


この十年間、綱吉が僕にくれた誕生日プレゼントと僕が綱吉に贈ったそれを全部併せる時が来たんだ

ケーキに始まり、時計、ネクタイ、スーツや靴……。そして今日君がくれたプレゼント。それから僕が贈った花束や万年筆、手袋にマント…。そして今日貰ったプレゼントと同じ−−−指輪


十年前から一つずつ、お互いが式に必要なものを贈りあった。僕は綱吉に、綱吉は僕に、理想の花嫁・花婿像を重ねながら。そして今日、10回目の誕生日を迎えた僕に綱吉は約束の指輪をくれた

いつも僕の隣で君が笑っていてくれますようにと誕生日が来る度に願い続けた十年。今日でそれは願うだけの不確かなものから守るべき絶対的なものに変わった


「式場は今年の君の誕生日にプレゼントするよ」と約束する
君は照れくさそうに「誕生日プレゼント予告されるなんて初めてです」と言った




十年前の僕は、十年後の誕生日に綱吉から指輪と綱吉自身をプレゼントしてもらえるなんて考えてもみないだろうね
ただ一つだけ分かっているとすれば、それは僕の左側はずっと沢田綱吉だけの特等席なんだってことだろうか




「雲雀さん、お誕生日おめでとうございます!!」
「ちょっと、応接室でクラッカー鳴らさないでよ。うるさいでしょ」





雲雀さん誕生日おめでとうございます^^
な、何とか間に合ったよ…!!←
5月いっぱいフリーです^^


 


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あきゅろす。
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