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REBORN!短編
伝わる 1827☆■


付き合い始めて3ヶ月
俺が雲雀さんに思いを伝えて3ヶ月−−−−


「……何?」
漆黒の瞳がこちらに向く

うず高く積まれた書類の間から見つめていたのがバレてしまった

「いえ……」
慌てて目を逸らした

「そう……」
それだけ言って、雲雀さんはまた書類の山と格闘し始めた


応接室で恋人の仕事ぶりを見つめる
それが3ヶ月の全部だった

始めに好きになったのは多分俺の方
告白したのも俺の方

そして、落ち込むのも俺の方だ−−−−


でも「雲雀さんは俺の事、本当に好きなんですか」なんて聞く勇気もない

簡単に「嫌いだよ」と言われてしまいそうだから

「どうしてかまってくれないんですか」なんて怒る勇気もない

鬱陶しそうに「邪魔だよ」と咬み殺されてしまいそうだから


でも、このまま一方通行は嫌だから、気づいて欲しくて今日もあなたを書類ごしに見つめる

黙々と仕事を続ける雲雀さんはこの気持ちに−−−−いや、俺がいる事すら気づいていないようだけど

ごしごしと
服の袖で瞼を擦る
眠いふりをして涙を拭った


カサッ

書類のこすれる音がして、そちらに目を向けると椅子に雲雀さんの姿がなくなっていた

「えっ……雲雀さ……」
「何?」

応接室の椅子に座っている俺は耳元に雲雀さんの吐息がかかるのを感じた

「えっ……」

雲雀さんに後ろから抱きしめられている

すっかり気が動転している俺の事はお構いなしに雲雀さんは「誰かを愛することに疲れたら、たまには誰かに愛してもらってもいいんじゃない?」とギュッと抱きしめる強さを増させて言った

愛する事。愛される事

一方通行なんかじゃなくて、最初からちゃんとバランスはとれていたんだ

だって俺が泣いてしまっても
あなたは黙って抱きしめてくれるから

どうしても「好き」なんて言葉を、証拠を求めてしまうワガママな俺に、顔を真っ赤にしながら「す……好き……だよ」と言ってくれるから

言葉が足りなくても
態度に表せなくても
ちゃんと、伝わるから−−−−



終わり
 


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あきゅろす。
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