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透明光速
四月04
 「そう言えば加瀬って、昼飯何時もどこで食ってんの」

休み時間。特にやる予習もなく暇を持て余していた俺と加瀬は、ぼんやりとベランダに座り込んでいた。

「珍しいね、タナカから話しかけてくるなんて」

もしかして俺に興味持っちゃった?イヤーンと体をしならせて呟く。
俺は頭を振ると、嫌な誤解をされる前に白状する事にした。

「俺さ、妹がいるんだけど」
「何なの急に……まぁ聞いてやんよ」

別にそこまで重要な話でもないのに、加瀬は真剣そうに頷く。

「その妹がな、ちょっと家出してるんだわ。んで、何時も通り二つのお弁当を作った俺は途方にくれてる訳よ」

全く小学六年生ってのはわからんね。
急に彼氏の家に泊まるとか言い出しちゃって……苦笑いをしながら加瀬を見ると、加瀬は青白い顔をした。どうかしたんだろうか、失礼ながら少し不気味だった。

「あのさ、弁当の箱って水色の花柄?」
「おう、そうだけど……」

そこまで言いかけて、俺は加瀬が後ろでに持っている物に気づく。いや元々やる予定だったが、まさか……。
加瀬は俺と視線をかち合わせるや否や、肩を鷲掴みにして叫んだ。

「タナカ、悪い事は言わない。料理部に入った方が良い。妹さんが可哀想だ」
「余計なお世話だボケ」

これなら家出もしたくなる、と唸る加瀬から弁当箱を奪う。余計なお世話すぎる。そ
う言えば趣味は料理と言って居たし加瀬は味にはうるさいのかも知れない。
加瀬は勝手に食ってごめん、昼は調理室に居るよ。とだけ言い残して、ベランダを出ていく。
……まじでまずかったのかな。俺は少しだけ不安になった。

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あきゅろす。
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