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「僕達タッグでしょ? 忘れちゃったの?」
「タッグ?」
やはり意味が分からなくて首を傾げると、やっと俺が本気だということに気付いたらしい、目をぱちぱちさせながら聞いてきた。
「本当に覚えてないの?」
「あぁ」
「じゃあ、訓練のことも?」
「そう。その、訓練、ってなんなんだ?」
「まずいな……」
「え?」
俺が呟いたのと同時に、またしても拡声器を使った校長の声が響き渡った。
「訓練、開始!」
次に起こったのは本当に一瞬の出来事だった。
話していた男子に突き飛ばされたかと思うと、何か小さなものが無数に飛んできて、さっきまで俺たちがいたところに降り注いだ。
降り注いだものが地面に当たり破裂すると、地面が蛍光ピンクに染まった。
「ちっ、上か」
唖然とする俺の前で男子生徒が呟く。そして手に持っていた拳銃を校舎に向けた。引き金を引く。
ぱん、と乾いた音がしたかと思うと、次の瞬間には一枚の窓ガラスが地面と同じピンク色に染まった。
立て続けに三発、男子生徒は違う窓に打ち込んだが、全て窓ガラスに当たった。
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