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 落ちてるというのに、俺はいたって冷静だった。

 なんでこんなに落ち着いているのかと不安になるほどに。

 諦め? それとも楽観だろうか。どうにかなると思ってる?

 冷静な頭で冷静に自己分析。どこまでも他人事な自分に苦笑した。

 落ち過ぎて落ちてるという感覚もなくなってきた頃、ふいに周りの空気が変わった。

 視覚的には何も変わらないのに、どこかに果てを感じる。

 そろそろ終わるみたいだ。

 まだ落ち着いてる。こんな速度で叩きつけられたらただじゃ済まないことくらい分かってるのに。

 経験がないからだろうか、危機感がない。

 こんなんではきっと人生のピンチでも他人事のように感じるんじゃないだろうか。

 ダメだな、防衛本能が働かないなんて。

 じりじり。

 額の辺りに嫌な圧迫感がかかる。


 ──あぁ、来る。


 際にやって、ようやく俺は固く目を瞑った。











 固く瞑った目を開くと、いつもの天井が見えた。

 遠くで鳥の鳴く声。

 朝だ。

 まだ白く霞む頭で、俺は思った。


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あきゅろす。
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