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「翼くん、走るよ」

「えっ?」


 問い返す間もなく、男子生徒が走りだす。仕方なく後を追うと、後ろから立て続けに乾いた音が聞こえてきた。走りながら見てみると、ピンクの染みが点々と、俺たちを追うようについていた。

 なんだっていうんだ、一体!

 突然のことに混乱しながらも、俺は男子生徒に続いて体育館裏の茂みに飛び込んだ。

 呼吸を整えようと大きく息をしている俺の横で、男子生徒は銃を顔の横で構えながら茂みの外の様子を伺っている。


「……なんとか巻けたか」


 ぽつりと呟いて、俺に向き直る。先程の真剣さが少しやわらいだ顔をしていた。


「さてと、どうしようか」


 どうしようかって、何をどうするんだろう。首を傾げる俺に、男子生徒は、うーん、と少し唸ってから話し始めた。


「とりあえず自己紹介かな。僕はセタユウキ。君と同じクラスで、訓練のときはタッグを組んでる。つまり相方ってこと。ここまで大丈夫?」


 セタ、ユウキ。俺の相方。

 何もかも初耳のような気もするが、そういえばそんな奴がいたような気がしないでもない。

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あきゅろす。
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