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「じゃ、じゃあさ、受験終わったら行こう?」


 なんとなく罪悪感を覚えて解決策を打ち出してみる。


「受験終わってからか。それならいいかも」

「俺もそれなら賛成」


 光と洋一が次々と賛成する。すると嵐の顔に再び光りが戻った。


「よし、じゃ受験終わったらまた遊び行くってことで決まりな!」


 光曰く現金な嵐はもう次の旅行の計画を立てようとしている。

 そんな姿を苦笑しながらも微笑ましく思っていると出口が見えてきた。

 楽しかった時間はあっという間に過ぎ、誰しもが夢から醒めて現実に帰っていく。

 洋一の言ったように来週からは課外授業が始まる。他の三人とすぐ顔を合わせることになるとはいえ、もう遊んでばかりはいられないのだと思い知らされた。

 水族館を出ると、夏の夕暮れが空を染めていた。

 東の空に一番星を見つけてはしゃぐ嵐を見ながら三人で笑う。

 夢から醒めても、こうして笑えることの幸せを噛みしめながら、四人はそれぞれの帰途を辿るのだった。

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