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 結局四人で思いっきり笑って、何がおかしいのか忘れるほど楽しい時間を過ごした。


「でもさ、やっぱ四人でどっか行きたいよね」


 昼食も済み、教室に帰ろうとするところで光が言った。


「お前、俺の話聞いてたのか?」


 洋一が呆れたように呟くと、光は「もちろんよ」と答えてから続けた。


「だからこそ行くんじゃない」

「……?」

「高校卒業したら皆バラバラになるんだし、その前に思い出作っとかないと」


 ふいに、現実を突き付けられた気がした。

 今、真紀たちは受験生だ。それぞれが、目標に向けて歩きだしている。でも、その先には。

 卒業。受験が終われば卒業する。それは単なる過程ではなく、離別を意味するのだということを、頭では分かっていても忘れてしまっていた。


「……私も、光に賛成」


 しん、としてしまった四人の中で、真紀は自然に口を開いていた。

 思い出なんていうと悲しい響きがあるけれど、今はそれを作りたい。残したい。

 同じ物を描くように、同じ時間を共有し、覚えていたいと思った。

 皆も同意見だったのか、それからはどこに行くかを話しながら教室に戻った。

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