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「よし、じゃ俺ら購買言ってくるから! 先に中庭行ってて」

「うわ、おい、引っ張んなよ」


 洋一の手を引いて嵐が教室を出ていく。頭一つ分洋一より小柄なのにも拘らず、嵐はずんずんと進んで洋一を引っ張っていく。洋一の方は転ばないように歩くので必死という感じだ。
 ぽかんとしている真紀に、光は弁当片手に微笑みかける。


「全く調子いいわよね」

「はは」

「とりあえず中庭行こっか」

「うん」


 光に促されて、鞄から弁当の包みを取り出した。先に歩きだした光の背を追いながら、どことなく違和感を覚える。


「…………」

「……真紀? どうしたの?」


 つい立ち止まっていると、光が振り返った。真紀ははっとして首を振った。


「うぅん、なんでもない」

「そ?」

「うん。早く行こ!」


 光の笑顔に、何故か動悸が早くなる。何か嫌な予感がしたが、真紀はそれを意図的に振り払うように歩くスピードを上げた。

 廊下の窓から見える空は、眩しいほどの快晴だった。

 キラキラ、キラキラ。

 息が苦しくなるほど。

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