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「うわーやべー恥ずかしいー」

「……そうか」


 もうどうでもよくなってきた。洋一は一人赤面する嵐を放って席を立った。


「えっ、てことはさ、真紀ちゃんも気付いてるってこと?」

「さぁな。本人に聞いてみれば?」

「そんなの告白と変わんねぇじゃん」


 そりゃそうか、まぁその内気付くだろうな、と思いながら歩きだす。だが、


「ちょ、ちょい待ち!」

「なんだよ。俺腹減ったんだけど」


 すごい勢いで嵐が腕を掴んできた。体勢を崩しそうになりながらも抵抗すると、真剣な瞳が洋一を見てきた。その勢いに多少引く。


「洋一は、応援してくれるんだよなっ?」

「はぁ?」

「俺の恋」


 恋、なんて純朴な言葉が世界一似合わない男から発せられたことに苦笑しつつも、その眼差しに本気を感じた洋一は、出来る限りは、と返事をして教室を出た。

 直後、「うっしゃー!」という大声が聞こえてきたが、気にしないことにした。

 とにかく今は空腹を満たすのが第一だ。洋一は足早に学食へと向かった。

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