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「全くあいつは……」

「知り合い?」


 同級生なのだから知り合いなのだろうが、光の言い方にもっと親密なものを感じた真紀は尋ねた。

 すると光は苦笑する。


「はは、知り合いっていうか腐れ縁? 幼なじみなんだよね」

「幼なじみ?」

「そ。小学校からずっと一緒なの。私と嵐と、あと一人……」

「おい嵐! 置いてくぞ!」


 唐突に声がして心臓が跳ね上がる。低く、通る声。


「あぁ、今行く! んじゃね、真紀ちゃん」


 答えた嵐が手を振って去っていく。その先にいる人を、真紀は何故か見ることができなかった。


「あれがもう一人の幼なじみ」

「え?」

「芳賀洋一。真紀ちゃんの前の席だよね?」

「あ、うん……」


 ただそれだけのことを言われただけなのに、真紀の頭の中に洋一の笑顔が浮かび上がった。

 ふっと笑う、あの笑顔が。





 高校三年生。

 勉学、部活、恋愛。

 大忙しの青い春が、こうして始まった。



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あきゅろす。
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