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「真紀ちゃんは興味ないの?」
そう聞かれて一瞬洋一の顔が浮かんだが、それを言うのは恥ずかしい気がして「ない」と答えた。
「そうなんだ」
「……若生さんは?」
「光でいいよ。真紀ちゃん礼儀正しいんだね」
礼儀云々より引っ込み思案で人見知りなだけなのだが、敢えて訂正はしなかった。
「私も、ない、かな?」
何か引っ掛かる言い方だったが、深く聞くのも悪い気がして聞かなかった。
「なぁなぁ、なんの話ー?」
「きゃっ」
光と真紀の間に割り込むように急に嵐が現れた。あまりに突然の登場に悲鳴を上げると、また嵐が苦笑した。
「もー酷いなぁ真紀ちゃんは」
「ご、ごめんなさい……」
「いや、今のはあんたが悪いでしょ」
顔を赤くして謝る真紀の頭を撫でながら光が嵐を睨み付ける。
「ごめんごめん。で? 何の話?」
「このクラス、イケメン多いよねーって話」
真紀の悲鳴に一度話を中断していた女子たちが言う。
「何、イケメン? 俺のこと!?」
「長島は例外〜」
「ひっで」
苦笑しながらも輪に入っていく嵐を見て光がため息をつく。
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