2
「大丈夫っすよ、分かってますから」
あ、ほら、こういうところが大人だなと思う。
こっちの失敗を笑顔で許してくれる。年下じゃそううまくできないことだと思うんだけど。
「でもま、そういうことなんで、智実さんと飲めるようになるにはあと二年必要ですね」
「あ、そっか……てか十八って、大学生?」
「いえ、ギリ高校生っす」
「こっ……」
ますます驚かされる。本人から聞かされているのに未だに信じられない自分がいた。
「……若いねぇ」
「そんな変わりませんって」
苦笑しつつも手は止めない。その様子を見て自分の手元が止まっていたことに気付いた。
「でも二年っておっきいよ。特に十代と二十代の壁は大きい」
成人してるかそうでないか、という違いもあるけど、気持ちの面でも大きな壁があると思った。
「そうすか? 俺としては智実さんの方が年下みたいなんで差はあんまり感じないんすけどね」
「それ、どういう意味?」
「さぁ、なんでしょう?」
からかうような口調に反論しようとしたら、更に上を行かれた。私は頬を膨らませて相手を睨んだ。
[*back][next#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!