18
喧騒から離れた場所で、ひとりぼっち。
どうしよう。先輩怒ってた。私がドジばっかりするから、嫌になっちゃったんだ。
座ってろ、と言われたけれど体が動かない。足が痛いからじゃなくて。
なんでだ。
心が、心が痛い。
「うっ……」
自然に涙がこぼれてきた。なんで泣いているのか自分でも分からない。ぽろぽろと、止めようとしてもあふれてくる。
どうしよう。
何が?
嫌われちゃったかもしれない。
誰に。
先輩に。
どうして泣くの。
嫌われたくないから。
──先輩に、嫌われたくないよ。
涙と共に頭の中で言葉があふれてくる。
先輩に嫌われたくない。そんなのは嫌だ。
先輩ごめんなさい。謝るから帰ってきて。
頭の中で、何度も何度も先輩に謝る。だけどその声は届かない。
先輩はもういない。
「ふっ……ぐっ……」
嗚咽をこらえて、変な声が出る。道に蹲って泣く私の横を、知らない人たちが通り過ぎる。
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