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キセキの秋桜



「ママンお腹空いたぞ」

「ふぁ〜」

「ご飯出来てるわよ」




(ママは何時もと変わらないのに……何でビアンキさんに平手打ちされたの?)




席に座るも、さっきの出来事が余程ショックだったらしく、考え中をしていてか朝食に中々手をつけなかった。




「空? 如何したの?
(あれ? 空パンだけ?)」

「え? あ、何でもないよ!」

「(なんか様子が変、だよな? 元気ないみたいだし……)」

「……ご馳走様」




朝食を食べ終え、奈々からお弁当を受け取るとスクールバックに詰めて、洗面所へと向かった。




「空、なんか元気ないね」

「そう? 空ちゃん何時もと変わらないけど」

「私には関係無いわ」

「左頬、少し腫れてたな」




(誰かに叩かれた? だとしたら朝から誰に?)

(ママンでは無いな。ビアンキか?)




元気のない空に綱吉とリボーンは、少し気になっていた。さっきまでは元気だった筈なのに……と。




「冷たい……でも、冷やしておけば少しだけ腫れてるのも、ましになるかな」




(ビアンキさん、加減してくれたみたいでよかった……って、叩かれたのによかったはないか……)




暫く頬を冷やすとまだ薄(うっす)ら赤い頬の腫れは引いていて、洗濯籠(かご)に冷やす為に使ったハンドタオルを入れ、リビングにスクールバックを取り戻った。




ガチャ




「大丈夫?」

「うん、大丈夫! 時間だから、お兄ちゃん行こ」

「あ、うん」

「「行ってきます!」」




奈々達は行ってらっしゃいと返事を返すと、各々のやる事をやり始める。これが沢田家の日常だ。

その日常が今日この日、消え去ろうとしていた。

この時の綱吉は、頻(しきり)りに超直感≠ェ働いていた。本人も分かる程の嫌な予感と言う形で。



そして、誰も気が付かない。
──空の心が閉じられ様としている事に……。




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あきゅろす。
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