[携帯モード] [URL送信]
1



「ん……」
 草木も眠る深夜の室内に、僕の熱い吐息が響く。隣を見れば、春馬様が僕に腕枕をして向き合うように眠っていた。すぐ上で春馬様の呼吸が聞こえる。
「や、……あっ」
 それなのに僕の中心はどんどん熱を持ち始めていて、どうしたら良いか解らなくなる。再び人間の姿になるようになってからは、夜中にえっちな気分になることが増えた。
「ぁ、ん」
 我慢しなくちゃ、そう思ってキュッと目を瞑る。けれどちっとも紛れてくれない。
「んー」
「っ!!」
 春馬様が小さく唸った。びくっと体が震えたけど、ただの寝言だと解ってホッとする。
 別の事を考えようと、大きくて暖かい腕枕に頬擦りした。僕が前に春馬様の上に寝てしまってから、彼はこうして僕を抱き締めるように寝てくれている。無意識に春馬様の上に寝ていると僕が申し訳なさそうにするかららしいんだけど、これも十分申し訳ない……。
 でも、春馬様の腕枕は大好き。バレないようにそっと手を回して、彼の腕にキスをする。くすぐったい気持ちになった。それと同時に、またえっちな気分になってきた。
「あ、なんで」
 もう我慢できない。僕は夏希様の体操着の中から自身を取り出して、ゆっくりとそれを握った。既に熱く濡れていてカァッと頬が熱を持つ。
「ん、んっ…はぁっ」
 バレませんように、繰り返しながら春馬様の顔を見上げて上下に動かす。心臓がドキドキした。彼に抱き締められながら自分を慰めている行為に、凄く興奮する。
「ぁ、や…、にゃあっ…」
 彼に、触られているみたいだ。
 そう感じた瞬間、僕は熱欲を吐き出していた。
「みぃ…、ごめんなさい、春馬様…」

   ◆ ◆ ◆

(ヤバイだろ……)
 もぞもぞと動く腕の中の生き物が、声を殺して自身を慰めている光景と言うのは寝起きには刺激が強すぎる。時折見上げてくるのが解るから、つい狸寝入りを決め込んだけど、こんな状況で再び眠りにつけるわけがない。
「にゃ、ぁっ、あ…っ」
「…………」
「ん…や…みぃっ…」
「…………」
 何の拷問だこれ。
「ごめんなさい……」
 すずが達したと思ったら、掠れるような熱い吐息と共にそう呟いて、自身をしまった。その時俺の分身に腕が当たり、固くなっているのに気付いたのか、ハッと見上げてきた。
「すず」
「あ、あの、その……っ」



あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!