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小説
5


知り合いなら紹介してもらおうという魂胆か。しかしそんな考えとは裏腹に、幸成は首を横に振った。


「...多分、違うな。あいつがここにいるはずねーし」

「なーんだ、残念!」

「残念ってお前なぁ...」


頬をひきつらせ額に青筋が浮かんでいる幸成に全く気づかずに、リズは頬を膨らましている。その光景は端から見たら喧嘩中のカップルか。間違ってもそんなことはあり得ないが。

そんな時リズが何か閃いたのか、勢い良く幸成の方を向いた。


「じゃあさ、その『あいつ』のこと教えてよ!」

「...わーったよ!すりゃいいんだろ!その代わり歩きながらだ!」


進む先はフリージアの裏門。









そのころ夜天達はというと。


「さて!侵入は成功じゃな!」

「門番ぶっ飛ばして正面から入ったのが侵入って言うのならね」


フリージア教団本拠地にいた。清々しい笑顔を浮かべる弥一郎の手は赤くなっている。夜天は弥一郎が咎闇の影縛りで立たせている門番を軽く蹴りながら、前を歩く背中に声をかけた。


「ねぇ弥一兄、バレないように進むならこいつらの鎧着たほうがいいんじゃない?」



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あきゅろす。
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