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小説
2


「あなた達には話していませんでしたけれど、実はずっと依頼されてましたの」


普段は聖母のように微笑んでいることが多いスティーナだが、とても真剣な顔で言った。こういった時の彼女の雰囲気には、何か棘のようなものを感じたりもする。それだけ大変な事なのだろう。知らぬ間に姿勢を正していた。


「しかし神隠しなんてもの、どうしようもないでしょう?忽然と消えてしまった人の手がかりなんて、見つかりませんもの」

「だが放っておくわけにもいかないからな。駄目もとで俺が調べていたんだ」

「....手がかりが無いままなら、依頼を放棄することだって出来たのですが....」





「見つかったんだね?手がかり....」


今の流れで分からない人間なんていないだろう。誰よりも先に夜天が言った言葉に、2人は静かに頷いた。

言ってしまうなら、最悪。

手がかりがあったところでどうしようもないことなのに。自分たちだって、守護者である前に人間だ。本当に神隠しだったなら、消えた人間を連れ戻すことなんて出来やしない。


うなだれる四人。そんな姿を見て、窓辺で式神と戯れていた李也が寄ってきた。




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