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「生徒会会長、大空のルーチェです。よろしくね」
「副生徒会長、晴れのリボーンだ。入ったからには覚悟しとけよ」
「総書記、嵐の風です。これからよろしくお願いしますね、蘭さん」
「行事会長、雨のコロネロだ、コラ。わからないことがあったら聞いてくれていいぜ」
「清掃総長、雲のスカルだ。わからないことがあったらなんっでもオレに聞いてくれよ!」
「会計総長、霧のマーモン。僕のことはバイパーでいいんだけどね。お金さえ払ってくれれば、なんでも頼みを聞いてあげるよ」
「開発長、雷のヴェルデだ。よろしく」
順繰りに、自己紹介がなされた。
にこやかな者、表情のわからない者。様々だが、一言一言が今の蘭には新鮮で、とても心が温まる。
「握手をしましょう」
ルーチェが歩み寄り、手を差し出した。
数瞬、戸惑った蘭であったが、そろそろとルーチェと手を包みあった。
いつの間にやら、身体がこの空間に慣れたのか。緊張がいい具合に解れていて、心のどこかで蘭はゆとりを持てていることにふと気付いた。
「全員に握手をしたら時間がなくなる。ルーチェだけにしておいてやる」
次にリボーンのところへ移動すると、意外な事を言われてしまった。
「えぇ!?」と驚くと同時に、リボーンが隣に視線を移して「風、」と声を掛けた。
「なんでしょう?」
「生徒会契約の品だ」
言うが早いか、ズイッと風の目前に小さな封筒を突き付けた。
風は首を傾げながら、とりあえず受け取った。
「……何か入ってますね。これは―――指輪?」
コロン、と手の平に転がったのは淡い赤色の指輪。指輪自体に蔦が描かれている、不思議な指輪だった。
まさか、と思い至り、風はリボーンを見やる。
「お前がつけてやれ」
…………やっぱり。
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