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「次はオレが案内するぞ」


化学室を出たと同時にリボーン様は窓から身を離し、私達に向き直った。
そこまではよかったのだが、その後が少し、大変だった。

リボーン様は早く去りたい、という感じでスタスタと歩が速いながらも廊下をズンズン進んで行く。
私達も置いて行かれないように早足で頑張りました!

着いた先は『生徒会室』。
扉が今まで回って来た所より、断然に豪華であった。
正直、一年生が入ってよろしい所なのか。
『選ばれた七人』が業務を行う場所なのだ。
この部屋も、限られた人しか入れないと思い込んでいたから本当にびっくり。


「今回は特別だ。日頃はオレ達しか出入りはできねぇ。あぁでも、今度から新人も入るからそいつは出入りはOKだ」


それはいいなぁ、と誰もが思っただろう。


「新しい人ってどんな方でしょう。
また次の集会とかで紹介があるのでしょうか。」

「さぁ。私にはわかりかねませんわ。……随分とうきうきしなさるのね」

「はい! どんな方だろう、って思ったらドキドキしてしまうんです。まだ高校に入って緊張してるんでしょうね」


ごめんなさい、と笑いながら謝るとリサさんはちょっとキョトン、としてまた笑って下さった。


「貴女らしいですわね。まだそんなに時は経ってませんが、なぜだかそう思いますわ」


わかりやすいってことかしら。
真意を聞こうかとも思ったけれど、あまりにも穏やかに微笑まれるものだからそんな必要はないと瞬時に判断した。

笑って下さるのだったら、私はなんにでもなっていいんです。


リサの顔を見てほわほわとしていた蘭をリボーンは奇妙なものを見るような目で一瞥してやっぱおもしれぇな、と一人怪しい笑いを口元に描いた。

扉の方へ向いていた為、誰の目にも触れなかったのは計算の範疇か。




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