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そのまま私達は教室に連れて行かれ、自分の席に着いた。
中の構造も大学に負けず劣らず。
長い黒板を取り囲むように長机が四段ほどあって、そしてそれは新品同然とも言える程。

今更思うけど、私なんてところに入ってしまったのだろう。
完全に場違いな雰囲気を漂わせているのではないか。
不安がじわじわと進行してきている感じがしてならない。

好きな席に着くように言われたので適当な席に着く。
でも、リサさんの隣は保持。
軽く睨まれてしまったけれど、ごめんなさい。許して下さい。
なんだかとっても心細いんです。

申し訳ない気持ちを抱きつつ、先生からプリントが配布されたのを受け取る。
そこには担任や、担当科目が表記された先生方の名前が連ねてあった。

あ、ラルさんの名前…。

そんなことを思っている暇などなくまた次のプリントが回って来た。

今度はラルさんが話していたエリアのより詳しい説明…と。


「わぁ、生徒会の方たちだぁ。」


これはなんと幸運なことだろう。
目の悪かった人たち用なのか、エリア別に生徒会役員の方の写真が載っていた。


「わぁ、やっぱり綺麗なお方…。」


大空の枠に載っていた人は間違いなく、生徒会長様の…


「ルーチェ様…。」


隣からうっとりとした声で呟いたのが聞こえて思わず振り向いてしまった。
その人はリサさん。
私の存在に気付いたのかハッと口を塞いでしまわれた。


「リサさんもルーチェ様に一目惚れですね!」

「……っ!!」


するとリサさんは目にわかるくらい真っ赤な顔になって凄い勢いで私から顔を背けられてしまった。

まぁ、うん。よくあることだよね。

私は開き直ってプリントに目を戻す。
すると、知っている顔を見つけ、瞠目した。


「……この人は…。」


そこに印刷されていたのは黒髪で中華服を着ている少年の優しい表情をした顔写真。

名前は…『風』

……『かぜ』?
え、あれ?とちょっと混乱してしまったが下に書いてあるローマ字でそれは確信へと変わる。


(やっぱり。貴方でしたか。)




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