KANESHIRO☆カルチャーショック! 8 教室内からは案の定、「うわ地味…」だの「つまらない」だの好き勝手な声が聞こえてくる。 世の中には地味なのも居んだよ。皆が皆キラキラしてるワケじゃねーんだよ。 つかお前らは男の転校生と聞いて無駄な期待する女子か! 「では、自己紹介を挨拶含めて4文で」 何で自己紹介に条件つくんだよ。意味不明だっつーの。 「オレは伊波 晴幸といいます。鈴之瀬高等学校から来ました。趣味はスポーツ観戦ッス。どうぞよろしく」 きっちり4文で言い切って、ぺこりと頭を下げる。 「…意外と律儀だな」 「これでも生活態度の評価はずーっと“真面目”だったもんで」 少し驚いた様な俺様メガネの声に、オレはニイッと笑った。 地味と言われようが何だろうが関係ない。(…腹立つケド) とにかく平穏に学生生活を送るのみだ。 地味でいいさ。平凡に友達作って平凡に勉強して、平凡に卒業してやる。 予想外にズレちまった道だけど、その分大学受験で頑張って軌道修正するんだ! 開き直りゃこっちのモン。 地味メン根性の雑草魂、見せてやるぜ! 「まあいいだろう。席は…」 俺様メガネが教室を見回す。 窓際と廊下側の最後列に2つ席が空いていた。 と。 「辰巳センセ、こっち空いてまーす!」 …聞き覚えのある声だ。 廊下側の後ろから2番目、キラキラメンツの合間から元気よく上がってる腕を見つけた。その腕を辿って行くと――― 見覚えのあるイケメンが居た。 [*前へ][次へ#] [戻る] |