KANESHIRO☆カルチャーショック!
10
「おっ、噂をすれば!」
道場に入ると、談笑してたらしいアサがヒラヒラと手を振ってきた。デカい声もあって周りの視線が集まり落ち着かない。
女子だらけの道場からは武田に色めき立つ声がひっきりなしに聞こえて、普段鬼みたいな顔で練習する奴らも女なんだなぁって再認識。
…言ったら殺されそうだな、コレ。
当然そんなオレには気付いてない女子門下生は、わらわらと集まってくる。
「伊波先輩、こんにちは!」
「あ、あのっ…お隣の方は…」
「もしかしてお友達ですか!?」
チラチラ隣を見ながら、探りを入れやすいのかオレに話しかけてくる。それを見た武田は、モテるんだな、と微笑んだ。
ははは、お前のせいだよこんだけギラつく目で質問攻めにされるのはよ。怖ぇよどいつもこいつも!
コイツらも直でいけばいいものを…
普段女らしさなんか欠片も無いクセに、こういう時だけらしく振る舞うのはどうなんだ。女に向かって言うのもアレだけど、女々しいぞお前ら。
「やあ、いらっしゃい2人とも」
のんびりした声に振り向くと、柔和な笑顔を浮かべた男――若き道場師範、ことアサの兄貴(一番上)が立っていた。
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