ふじ×おた ついに来ました、日曜日! 「ごちそうさん。いってきまーす」 約束の時間まであと10分。 少し急いで飯を腹に放り込んで、席を立った。 玄関に行こうと席を離れた、その時。 「密室だからって襲うんじゃないぞー」 ガッタン!! お袋のからかう様な声が飛んで来て、思いっきりすっ転んでしまった。 ちなみにお袋はこれ以上無いくらいのニヤニヤ顔だ。 「なっ…何言ってんだよ!」 「はははは、お前にそんな肝は無いな。スマンスマン」 あながち外れてもいないから、ろくに文句が言えないのが悔しい。 「うっせ!」 結局負け惜しみみたいに吐き捨てて、バタバタと家を出た。 「ふ〜、間に合ったか…」 待ち合わせは何故か駅前で。 ちょいと時間が微妙かと思ったけど、時計を見れば余裕の5分前。 別に遅れたからといって何か言われるワケでもないけど…まぁ、何となく。 何するワケでもなく、ぼけーっと道行く人を見ていると。 「お待たせ、東吾」 という声が後ろからかかった。 「さすが智里サン、時間キッカ、リ…」 「? どうしたの?」 「い、いや、何でもない」 たまらずに慌てて顔を反らした。 [*前][次#] [戻る] |