ふじ×おた こりゃ問い合わせだッ! それからの行動は、素晴らしく迅速だった。 ドアの前に椅子と鞄を積んですぐには開かないようにし(桜井家のドアに鍵は無い)、窓の鍵とカーテンを閉め、ベッドの掛け布団に潜り込んだ。 そして手早くアドレスを呼び出して、電話。 …誰に、って? 決まってんじゃん。 お向かいの腐女子サマだよ。 『もしもーし』 ケロッとした声が応答に出た。 「…よォ」 『どうしたの?』 「今日預かった曲なんだけどさ」 スピーカーの向こうで、智里がクスッと笑った気がした。 「鬼畜眼鏡のOPじゃね?」 『ふふふ。もう分かっちゃったの?』 ケラケラと笑いながら、「ホント鋭いねー」なんてのたまっている。 鋭い云々の問題か!? 「何も知らん幼馴染みにBLゲームの歌を歌わそうとすんなよ…」 智里の行動を予測出来るからまだよかったが、これが何も知らない──例えば朱鳥だったとしてみろ。 目も当てられんじゃないか! 『えーっ、でもイイ曲じゃない?』 「うんまぁ…じゃねえよ! つか18禁じゃねーかアレ!」 『そうよ?』 全く悪びれる様子の無い智里に驚くやら呆れるやら。 くそ、開き直りかよ! [*前][次#] [戻る] |