ふじ×おた さて、渡されたブツは… 「…やだなー…何か怖いなぁ…」 結局受け取ってしまったプレイヤーを手に、なかなか再生スイッチを押せずにいた。 イヤホンは耳に装備してる。 後はスイッチを押すだけ。 …なんだけど。 「…嫌なヨカンがするんだよな…」 こういう事態での俺の勘は結構当たる。 ま、回避出来ないから意味がないに等しいんだけどよ。 今だってそうだ。 引き受けてしまった時点で、俺の逃げ道はとっくに無くなってる。 どのみち智里サマの要求を飲む他ない。 「うぐぐ…どうにでもなれチクショー!」 やけっぱちで再生スイッチを押す。 が。 「うぎゃぁ! 耳が!耳がぁぁぁ!」 慌てて停止させて音量を下げた。 音量がデカ過ぎて鼓膜に大ダメージ、ついでに頭もクラクラするときたもんだ。 「嫌がらせかオイ…」 出鼻をくじかれて心が折れそうだ。 何とかバクバク鳴ってる心臓をなだめて、もう一度再生ボタンを押した。 「…お? 何かかっけぇな」 イヤホンから流れるのはテンポの速い曲。ギターが利いててイイ感じだ。歌詞も警戒してたほどブッ飛んでない。 …時々出てくる単語の意味分からんけど。 [*前][次#] [戻る] |