ふじ×おた 腐女子サマの気まぐれ 学校の帰り、下足で鉢合わせた俺らは一緒に帰る事にした。 そしたら、何回かに一回のロシアンルーレット当たりの日だったらしい。 …まぁ、いい加減慣れたケドさ… 「んじゃあな」 「うん。あ、東吾」 互いの家の前で別れようとした時だ。 呼び止められて振り向くと、智里はガサガサと鞄の中をあさっていた。 で、何か見付けたらしい智里サン、笑顔で見付けた『何か』を差し出してきた。 「…ポータブルプレイヤー?」 コロンとした青の細長い本体に、黒いイヤホンがついてる。 「今度、カラオケでコレ歌って欲しいの」 「カラオケ…って、何で俺。おまいが歌えばいいじゃん」 「私じゃダメなのよ」 …ん? 何か妙なヨカンがするんスけど。 わざわざプレイヤーに入れて渡す辺りがキナ臭いというか…智里の事だから何かありそうだ。 「ね、ね、東吾〜お願い!」 「うぁあぁ!? ちょ、おま…」 何を思ったかイキナリすがりついてきた智里に慌てて、思わずヨロけた。 住宅街の夕方は買い物に行ってた主婦やら、俺ら含む学校帰りの学生やらで意外と賑わっていたりする。 当然ながら、道端で揉めてれば目立つワケで。 ま、周りの視線が痛い…! 「お願いよ、東吾っ!」 うわぁあノリノリだよコイツ〜! チクチク刺さる視線に、俺の小さな肝はみるみる冷えていく。 そして当然、俺が出した答えは── [次#] [戻る] |