ふじ×おた だけど違うんだもの 「え〜、おまい香山まで振ったのか?」 学校の帰り道、部活が休みだった東吾と鉢合わせた。 方向も一緒だし、わざわざバラけて帰る必要性も感じないから一緒に帰る事にしたの。 そしたらまた香山君の話になった。 東吾は香山君と友達だから、話が伝わったのかしら。 「だって、香山君は橋本君の…」 「嫁、ってか?相変わらずだなぁ智里」 幼馴染みは私の言いたい事をサラッと拾ってくれる。 あの学校で私の秘密を知ってるのは東吾だけ。ずっと一緒に育ってきて、何もかも知ってる東吾だけ。 同じ様に、東吾が必死に隠してる秘密を知ってるのは私だけ。 いい利害関係でしょ? 「とにかくさぁ、妄想もいいけどコクる奴の気持ちも…」 「だって」 東吾の言うことも分かるんだけど。 どうしても、どうしてもね。 あの2人は夫婦にしか見えないのよ!! 腐女子のある意味悲しい性だと思う。 女子の恋話より男子同士のじゃれ合い観察が、恋より妄想が。 本っ当に、楽しくて仕方ないの。 それに。 「腐女子じゃ、駄目でしょ」 バレちゃったらきっとドン引きよ? 親友だってきっとドン引きだと思うのに。出会って間のない男子が堪えきれると思う? [*前][次#] [戻る] |