ふじ×おた ある夏の日のこと 「うげ、暑ぃ…」 出て早々押し寄せる熱気にウンザリしつつ、足早にコンビニを離れた。 何故俺がこんな所に居るのか。 その理由は約10分前に遡る。 「お兄〜アイス食べた〜い」 西華がぶりっこモードで擦り寄って来た。 お袋もだけど、こういう猫撫で声の時はロクな事じゃない。どーせパシられたりするんだぜー 「ンなら買ってきなさい」 つーわけでバッサリ切る事にする。会話を続けたら、間違い無くパシられる。 ほれ、膨れっ面してるし。 それくらい分からぬ兄と思うなよっ! 西華のおねだり攻撃をかわしてホッとしていると、どこからかお袋が現れた。 「アイスか…東吾、ちっとコンビニまでパシられろ」 ちょ、俺の先制攻撃台無し…! 「息子パシるなよ」 「うっさい。陸部ならトレーニング代わりになるだろ」 そんなセリフと一緒に小銭入れを押し付けられた。 何つー横暴な! とか思いつつも、体は条件反射で小銭入れの釜口を開いて中身を確認していた。 パシられが染み付いてんだよな…切ねぇ… そういうワケで、結局パシられた俺はアイスを手に家路についたワケだ。 「ちくしょー、急がねばジィンダイバァが終わってしまう…!」 見たいアニメに間に合うようにと、只今全力ダッシュ中。 やれ腰を据えてアニメを見ようとすれば、厄介事を押し付けられるんだからたまったもんじゃない! [次#] [戻る] |