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また、夜が明ける
2




「俺は…」

「ねぇ政宗」

「リュウ、」

「好きだよ。」

-ぎゅ。



リュウは上から俺に抱きついた。
俺に拾われたリュウ。好きだと言ったその口は震えている。また、捨てられるとでも思っているのだろうか。そんなわけがあるはずないじゃないか。



「俺を信じろ」

「……訳わかんない」

-ちゅ



互いの唇が軽く触れる。
軽く触れただけなのに、いつもより深く感じられた。



「隆一が、起き、そう」

「今度でてきた時はもっと可愛がってやるよ、リュウ」

「うん、ありがと……」



リュウはゆっくりと目を閉じた。
これはこの3ヶ月間何度見た光景だろうか。










「ん…」

「おはよう」

「っ……!!」

-ばっ



隆一は露わになっていた肌をシーツで隠した。さっきまでは全然気にしている風には見えなかったのに、ここまで違うと二重人格というものを認めざるを得ないなと政宗は納得していた。



「一々可愛い反応すんなよ、襲うぞ」

「……っ!!ごめん、なさい。」



そんなに嫌なのか。
小さな体をさらに小さくする隆一に、いつものことながらちょっと傷つく政宗。



「俺、また…?」

「ヤっちまったな」

「!!」

「嫌々言う割に、善がってたじゃねーか」

「ふぁ…、…ああ、うっ」

「!!…何で泣くんだよ、隆一」



隆一の大きい目が、涙の粒でさらに大きく見える。そんなに泣くなよ、お前は悪くないんだから。そんな意味で、政宗は隆一の顔に手の平を添えた。



-ばっ

「ぁ…ふ、ごめんなさいっ、もう…許し…っ」

「隆一、」

-ぎゅうっ



とうとう自責の念が溢れ出て、隆一をきつく抱き締めた。



「政宗、さん…?」

「ごめん…大事にしたかったのに」

「…政宗さん。」

「許して」

「……は、い。」



隆一の胸は、これまでにないほど高ぶっていた。直に触れる体温と、政宗の優しい声音のせいだと決めつけて、隆一は目を瞑った。












-こんこん

「!!?」

『ご飯の支度ができました。頃合いに来て下さいね』

「…夏桐。行くか?」

「―――はい」

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