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また、夜が明ける
2






朝食を食べたあと、すぐさま身支度を整える。
まだ時間に余裕はあるのに、何となく気持ちが急いてしまう。

期待と、不安。



「準備はできました?隆一くん。」

「は、はい!」



まだ学校に着いてもないのに、心臓が早鐘を打ってる。こんな調子で大丈夫かな…
着慣れていない制服に身を包み、教科書でいっぱいの鞄を抱える。

―――――新しい生活が、始まる。
















「隆一くん、着きましたよ。」

「お、大きい…」



校門の前に黒光りの車を止め、真正面に立つ。
今日から俺が通う学校かあ…俺なんかが足を踏み入れていいのかな。
車内で落ち着かせた心臓が、また。



「隆一くん、頑張ってくださいね!」

「は、はい!どこに行けば…」

「玄関を入って右側の階段を昇ってその廊下突き当たりの所が理事長室 ですよ。」

「えっ…」



笑顔で話す夏桐さん。
その口振りは、私はこれから一緒に行きません、って感じで。
ま、まさか…本当に?



「夏桐さん。一緒に来てくれないんですか…?」



期待を込めて口に出した。
相変わらず夏桐さんは笑顔のままで。
こう言った。



「だから言ったじゃないですか…"頑張って下さいね"って。」



自分で言うのも気が引けるけど―――今までまともに学校通わせてもらえなかった上に母さんとあいつのせいで外が怖い俺が…久しぶりに外に出て、しかも新しい人たちと関わらなくちゃならない時に。

こんな素敵な笑顔で送り出すのか!?

夏桐さん、ドSすぎ…
がっくりとうちひしがれてると、夏桐さんはこう続けた。



「ここはあの方のテリトリーです。許可無く敷地に足を踏み入れるのは失礼ですから…申し訳ありません」

「あの方って…?」

「会えばわかりますよ。」



招待を教えてくれない所をみると、やっぱりこの人Sだ。





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あきゅろす。
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