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恋は盲目と云うけれど
3








「あんまりいちゃいちゃせんといてや。皆反応に困っとるやん」

「ふぇ、」



顔が暁の体に埋まってしまっているので声しか聞こえないが、多分拓さんだ。その声からは苦笑いしている表情が想像出来る。

皆に見られていると自覚した時、羞恥に顔が赤くなっていくのが自分で分かった。いくら皆が知ってる公の事実だからって、いざ指摘されると…やっぱり恥ずかしい。



「ひがむな」

「ひがんでなんかおらん!」



皆の心の声を代表して言ったつもりが、暁に貶されてしまった拓さんは、少々切れ気味のご様子。その証拠に敬語がなくなっている。



「…何だよ拓哉、大きな声だして。」

「な、何や大志。起きとったんか」

「お前の声でな」



あれ、大志のキャラが違う。寝起きが悪いのか、こいつ。まだ少し瞼がたれ気味の目を擦りながら、拓さんを引っ張って行った。



「奥、行くか」



ぽつりと暁が呟いた。
流石にちらちらとこちらの様子を伺われながらやり取りを繰り返すのも居心地が悪かったので、こくんと俺も同意した。




































「あ、あっきーにじゅんじゅんお疲れ様ァ」



いつもの二階の部屋へと入ると、そう言えば見掛けなかった愼太郎さんと翔平さんが居た。傷を隠す包帯―――ずきりと胸が痛んだ。



「愼太郎さんに翔平さん!その…あの時はありがとうございました。」

「いいよォ別に。楽しかったしー」

「…はあ。」



楽しい…って。親交を深めていけばいくほど謎が多い人だ。翔平さんは相変わらずワイルドというか。好きでやったことだ、と目を合わせずに言った。



「俺たちもしかして邪魔ァ?」

「いえ、そんなこと」

「邪魔」

「こら暁!」



ざっくりと切り捨てる暁。流石に同期にまでそんな扱いはないんじゃないのか。



「もう帰るつもりだったし、別にいいよー」

「だな」

「しょーちゃん、ほらおんぶ」

「はいはいうるせー」



なんか、何て言っていいか解らないけれど。こんな関係って良いなー。頼って頼られて、みたいな。

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あきゅろす。
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