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恋は盲目と云うけれど
5









「淳也を危険な目に遭わせたくない」



俺の為っていうのは、俺の安全の為だった。暁、暁。前からずっと思っていたこと。



「暁は、もっと自分を大切にしなきゃ駄目だよ」

「………」

「何でも人のために捨てないで」

「淳也、俺は」

「もっと、欲張りになって」

「そうですよ!淳也さんは俺たちが責任持って守ります!」

「………でも」

「暁。ずっと側に居るって…俺、言ったじゃん」

「!」



そう。暁の家にお邪魔した時に確かにそう言ったんだ。不安げ尋ねた暁を今でも覚えているから。



「…今まで通りにはいかなくなるよ」

「それでも、いい。一緒に居られるなら、いいよ。」

「俺は戻るが総長は拓。淳也が怪我1つ付けられてみろ、お前ら潰すから。これが守れるんなら戻ってやるよ」

「はい!勿論です!」



よかった。暁、自分じゃ分からないかもしれないけど、今すっごく嬉しそうな顔してるよ。俺もつられて笑顔になった。好きな人が喜ぶと、こんなにも満たされるんだ。



「淳也。」

「え?」

「初めて、笑った。」

「あ…」



暁と出会ってから、暁の前で初めて笑った。だってしょうがないじゃん、幸せなんだから。



「淳也、ありがとう」

「うん。」

「淳也さん!すみませんでした……腹、大丈夫ですか?」

「腹って何だよ」

「ああああ!うん、お陰様で!俺の腸超元気!」

(すみません淳也さん)

(あは、いいよ)

ぐい、



大志と密談していると、急に視界が正常位置に戻る。頬には体温。戻された位置には勿論暁がいた。



「あき…」

「他の男に笑っちゃ駄目」



ね、と微笑みながら言う暁。いや格好良すぎだよ。きゅん、てきちゃったもん。世の女性たちが好きになるのも今なら分かるよ。



「淳也授業受けるんだろ?戻ろう」

「うん」

「授業受けてんすか!偉いですねぇ」

「早く行くぞ。最後の授業に間に合わない」

「人の話聞こうよ、暁…」



大志はもう慣れているのか嘆くこともせずに多勢に続いていった。

柏木先輩はひとり悲しそうに微笑んでいて。ただただ空を見つめたまま動かなかった。そうか、バレちゃったのか。ごめんなさい…先輩。


























一抹の事件は終わり、授業に戻った俺は熱い視線を浴びていた。皆そんなに見ないでよー何か照れるじゃんよ。



「え?何この視線ビームは。」

「お前不良に囲まれて無事に帰ってきた男だって噂されてんぞ」

「…………」



出た、暁先輩効果。
勿論俺が強いからとかそういう訳ではないということを衆介は知っているが、教室にいらっしゃる皆様はそうでないわけで。




またここに新たな伝説が誕生しました。

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