[携帯モード] [URL送信]

詩集
『じゃあ、さよなら』

口を塞ぎ生きてきた
人と人の群れにも塞がれ

限られたガラクタの様な言葉の中から
使古しを選んでばかり

「あれも…これも…みんな同じ…」

カギ爪のようなその言葉の
侵入を許す私の穴々

一掴み脳を締め付け 
頭蓋を這う鉄の百足

執拗に…執拗に

こんな事でもう笑いたくない
吐いてしまい 何もかもを

私の露呈さえ恐ろしくて

誰も怖くはない 
誰よりも怖い自分がいる

病みくすんだ手で手に取る本は
陰鬱な埃でうす汚れている

それでも救いを手にしたような気分でいる今は

崩れ逝くステンドグラスを一頻り壊して
悲鳴と共に伝わるがいい

割れる音が、心の叫びを刺すだろう

蹲り、時を待つ間は

「誰も近寄らないで」

微かに 呟いたら

一人、また一人と去っていく

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!