novel
休日遊戯
「あっっっっっつい・・・ですね・・・」
「我慢しろ、何の為にソレを渡してやったと思ってんだ」

目に見える景色は如何にも涼しげな緑と、小さいながらにも立派な金魚が泳いでいる池。
見える景色としては最高なのに、体感温度は変わることなく、暑さが身体を支配する。
先程手渡された団扇でもって必死にあおいでいるのに、まとわりつく暑さと汗がひくことは無い。

「・・・先輩暑くないんですか」
「何がだ」
「和装って、至るところを締めてないですか?」
「馬鹿言え、俺からしてみたらオマエの格好のがキチガイだ」
「ぅえ?!」
「女はどうか知らないが、オマエには俺の格好が暑そうに見えるのか?」
「?そりゃあ・・・だって帯締めてるじゃないですか・・・」

すると先輩が手を取った。もう片手では扇子で風を作りながら、私の手をどこかへ導こうとしている。

「・・・って先輩!何するんですかっ!」
「オマエが五月蝿いからナ、実際に触って確かめて貰った方が早い」
「はいぃ?!」
「習うより慣れよって言うダロうがっ」
「それぜっっったいに意味違いますよね?!」

まず、この汗ばんでいる手を先輩の地肌に押し付けたくないという思いと、先輩の地肌に触るのが気恥ずかしいという羞恥が勝る。
恐らく先輩はそれを分かっていて、反応を楽しんでいる。

「強情なのは宜しくないですねェ、真サン?」
「い、や、で、す!ってば!!
 っていうか先輩、こんな力普段はどこに隠してるんですかっ!」
「それはコッチの台詞だ、この馬鹿力がっ」
「あーもー先輩しつこいですよ、いい加減にしてください!」

必死の抵抗も虚しく、手はどんどん先輩に引き寄せられていく。
こっちも必死に抵抗しているのに、やはり男の力には現役運動部でも敵わないらしい。

(四ッ谷先輩、こんなに細いのに・・・)

「スキ有り」
「ぅぎょおー?!!!」

先輩の手首に見ぼれている隙に、先輩の手が力の抜けた私の手を思い切り引き寄せた。
ぺたり、と先輩の肌蹴た着物の襟元から、私の手が先輩の地肌に触れた。
少し滑る様に感じるのは、私の手が汗をかいているからだ。それに申し訳なさを感じながらも、折角だから、と訳のわからない考えが浮いてきて、私は先輩の地肌に少し撫でるように触れる。
心臓の近くだからだろうか、先輩の手よりも少し熱い。鼓動が少しだけれど伝わってきて、まるで幽霊のような肌の色をしている先輩でも生きているということが(当たり前だけど)分かった。

「まだ涼しいダロ?」
「・・・わかんないです、私のてが、あつすぎて」
「・・・・・・なんだ、誘ってんのか、真サン?」
「?!!そ、そんなわけ無いじゃないですかっっ!!」
「はいはい、じゃあ要望に沿って頂いてやろうナ」
「チョットォォ?!」

ぐいっ、と手を引き寄せられて抱きしめられて。

(これ以上熱くなんてなりたくないのに、)

でも先輩のこんな所も許してあげてしまう、私がいるから困ったものだ。



休日遊戯
(「縁側でなんて、公開プレイがお好きなんですかァ?」)
(「んなワケないじゃないですかっ!というかホントにするんですか?!」)
(「当たり前ダロ。さて、お部屋に移動しましょうかね、オヒメサマ?」)
(「助けてください、茜さんーーーー!!」)





「catatonic」の稚空様へ、相互記念として捧げます。
リク「休日に先輩の部屋でのんびりな四真」です。
・・・のんびり?のんびりか、これ?(←
加えて先輩の部屋じゃなくて、先輩の家になっちゃいました・・・すみません・・・。

遅くなってしまってすみません・・・相互ありがとうございました!
これからもよろしくお願いいたします!!

稚空様のみ、お持ち帰り可です。


tugi

あきゅろす。
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