ミケトレ
周りを見渡せば、一面の花畑
きっと綺麗なのだろう。イヴやリンスが見れば、いや、いつものトレインが見てもそれはそれは綺麗だと感嘆の声をあげていたと思う
けれど、今はそれどころではなかった
「ミケ……」
まるで眠っているかのように瞼を閉じて、ルミケットが睫毛を震わせる
横たわる細躯を花が避けて咲くほどに、圧倒的な華やかさだと感じた
それは服装が、とかでなく、ルミケットの存在そのものが。
「ミケ、綺麗……」
「……?」
普段言わない言葉に、ルミケットの瞳が露になる。そして不思議そうにトレインを見つめた
その様子でさえ様になっていて、ルミケットの疑問に応えることなくトレインは頷く
「ん、やっぱ綺麗」
「そうか」
どうでもいいことだと言いたげに返して、ルミケットが上半身を起こす
少し前まで眠っていたのか少し潤んだ金色が、真っ直ぐに俺を見据えて動かない。いつものことなのに、トレインは少し居心地の悪さを覚えた
「……ばかやろ、見過ぎだっつの…」
そっちが先に見てたんだろと言われてしまえばそれまでで、名前を呼ばれると今度は熱がじわりじわりと集まっていく
「な、みけ、」
「あ?」
「あつい、」
頬も、吐息も熱くて、溶けそうだ
「ここでか?」
くすくす笑うルミケットの色を含んだ瞳に、捕らわれる
「や、がまんできな、っ」
恥も背徳感も、全部全部消え失せて。白い腕に手招かれるがままに、トレインは花畑に沈んだ……ーー
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遅れた挙句他のジャンルで書いたものをミケトレにリメイクしました。受けが攻めを綺麗って思ってんの最高に好きです
ルミケットさんごめんなさい、誕生日おめでとうございました。9月4日……一ヶ月……
161005
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