三周年アンケリク
碓氷様へ(創作×黒猫ミケ+セフィ
ミケトレ前提でミケとセフィリア
「……リーピュア…本当に、行ってしまうのですね」
「あぁ。ここにいる意味がもうないからな」
「そうですか…残念です」
本当に心から残念に思い、私は少し俯いて睫毛を伏せた
「つうか、」
「はい?」
掛けられた声に返事を返しながらリーピュアを見ると、「そっちで呼ぶなって」と苦笑い。
どうやらこの白猫は、ファミリーネームで呼ばれることをあまり好んではいないようである
それでも珍しく少し柔らかな表情に、つられるように微笑み返す
「すみませんね、ルミケット。それでは、任務からは暫く外しておきますけれど…」
それはきっと短い期間で、今まで以上の自由を認めることなどできないのだ
「構わねぇよ。あんたが負い目を感じる必要はない」
それに、今までだって十分に自由だっただろ。
そう言って外を眺める貴方は、いつも黒猫しか見ていない
…ただ出会った頃よりも穏やかに。
「行きなさい。ここは大丈夫ですから」
戦力を一気に失うことになる
しかし、
「貴方がクロノスに残って下さることで、どれほど心強いか…。本当は、ハートネットを連れ戻す命を承諾してほしい気持ちも強いのですが」
「それは無理だな」
「でしょうね…。それを頼めば、貴方をも失なってしまうことも理解はしていますよ」
二兎追うものは一兎も獲ず。
貴方は私に意外と(などと言えば失礼でしょうか。)優しいけれど、ハートネットと天秤に掛けられることなど…まずない
その事に少なからず寂しさを覚えながら
(やはり…貴方をシークレット・イレギュラーとして時の番人に迎え入れて正解でした。ハートネットの動向を……)
そこまで思案し、軽く頭を振る
「きっと、これだから気を許してもらえないのですね…」
「あ?なんの話だ?」
「いえ。何でもありませんよ、気にしないで下さい」
「…やっぱ変わってるな、あんたは。ここに絶対服従なくせして、俺みたいなのを極秘でナンバーズに加えたり…」
「それもこれも、全てはクロノスのためなのです」
ハートネットは力があるが、甘さもあった。
それすらも目立たないほどの絶対的力を誇っていたからこそ特例として刻印を受けたのではあるが、それ以前の任務にはほとんどの確率で白い影があったことを知っている者は極少人数だ
あの大長老様でさえ彼のことを知らない
それでもハートネットには彼という存在が必要であることに気付くのは、二人を見守っていた私には容易だったから…
「そうか…大変だな、隊長様」
「からかわないで下さい…。」
短く息を吐くように笑い、踵を返すルミケット
軽く挙げられた手に、やはり寂しくなる
きっとあの猫達に少なからず特別な感情を抱いていた
保護者としての母性というものなのか、それともまた別の何かなのか…今は理解しかねるが。
勘の良い貴方になるべく悟られないよう笑みを浮かべ、私には胸部を抑えながら見送ることしか出来ないでいた
―――――――――――
ミケトレをクロノスに迎え入れた頃から二人を見守っているセフィリアさん。
トレインが脱退した後すぐの話です
二人に甘いセフィ姐を書きたかったのです
ミケの設定が結構出てしまったけども、こんなので大丈夫でしょうか…?
ほんとは白猫の過去としてupするような内容なのでしょうけどww
碓氷様、アンケリクありがとうございました!
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