三周年アンケリク
櫻さまへ(創作×黒猫でミケトレ
学パロ
「みぃけぇっ!腹減った〜、なんかねぇ?」
ショートホームルーム後すぐに騒がしく近付いてきたトレインに、ルミケットがちらりと視線を送る
「…さっき、誰かから押し付けられたパンしかねぇ」
「マジか!おっ前またそんな…」
食べ物やら何やらと、貢がれることが毎日の恒例となってしまっているルミケット
それが何故なのか、本人だけが判っていないようである
「まぁいいや、それくれ!」
「却下。」
「なんでだよぉっ!」
即却下されて頬を膨らませるトレインに笑いつつ、そのパンに込められた気持ちをつゆほども知らないルミケットは「何が入ってるかわかんねぇだろ」とトレインの頭に手を置く
「はぁ?なんだそれ、じゃあお前も食べんなよ、危ねぇからっ」
「俺はいいんだよ。多少免疫あるからな」
「その自信がこえぇんだよ…」
トレインが拗ねたように俯いてぼそりと呟くと、ルミケットが訝しげに覗き込む
眉を寄せるルミケットに眼を奪われ…
「なんか言ったか」
「うをえっ!?や、なんでもないって!…それより、食べるんなら気を付けろよ?」
取り繕った後で、ルミケットが袋を破るのが見えてそう注意する
「あ?なんでだ?」
やはりルミケットはとくに気にすることもなくパンを取り出したが。
「ちょ…心配してんだって!わっかんねーやつだな!」
「わかんねぇやつって、トレインに言われるとは…お、これうまい」
ルミケットの声に、先程まで頬を膨らませていたトレインは眼を輝かす
「やらねぇっつの」
「むぅ…いーなー…」
「でもこれ、薬入ってんな、やっぱり」
「恨まれてんじゃねーのぉ?」
見た目の良さと男前な性格、意外と可愛いとこもあって好意を寄せられることの多いルミケットだが、それ故に恨まれることも少なくはないのだろう
トレインは、最初は冗談のつもりだったがそう考えて納得した
「何もしてねぇよ、俺は。…ん、じゃあ行くか」
「ふへ?どこに…?」
食べかけのパンをしまい、自分の席から立ち上がるルミケット
机にもたれていたトレインはそれを見上げて変な声を洩らした
「腹減ってんだろ?しゃーねぇから、何か買ってやる」
万年金欠だとか言い放たれる暴言に屈せず、嬉しそうに飛び跳ねて喜ぶトレインを見て
「…げんきんなやつだな」
呆れ気味に呟くのだった。
はしゃぐトレインがルミケットを引っ張って鼻歌を歌っていると…
「お?クロ様とミケ様じゃないですか!キグウですねぇ」
今のトレインと負けず劣らずテンションの高い、黒髪が綺麗な女の子がいた
「あぁ、キョーコ。元気か?」
「何してたんだ?」
ルミケットがキョーコと呼んだ少女は、後輩のキリサキ キョーコ。
トレインとルミケットのことが好きらしいが、二人が恋仲であると勘違いしているフシもある
「元気いっぱいですお!今、イヴイヴんとこ行く途中だったんですよぅ」
「む?違うクラスだったんだっけ?」
トレインが聞き返すと、多少大袈裟めに「残念ですけどぉ…」と項垂れて。かと思えばすぐ二人を見上げて眼を輝かせる
「ところでお二人は?今日も相変わらず仲良しですねぇ♪」
「別に、仲良くねぇよ…」
「え!?仲良くねぇのっ!?」
すかさず返した言葉に反応を示したのはトレインで。ルミケットは思わず黙り込んでしまった
そんな二人を交互に見、キョーコが無邪気に笑う
「くふふふっ!見せつけてくれますな〜♪では!ジャマモノは退散するとしますのでごゆっくりして下さりぇ♪」
口を挟むスキも与えず喋り倒してから、走り去ってしまった。
ルミケットが後ろ姿に「廊下走るな、危ねぇぞ」と掛けた声も、聴こえてはいないだろう
「…なんだ、キョーコが意味わかんねぇ」
「それはいつもだろ?それよりミケ、早く行こうぜ?」
「あー…だな」
待ちきれないと言わんばかりの声に頷くと、トレインにぐいっと腕を引っ張られる
ルミケットは、何故だかそれがあたたかく感じて…嬉しそうに前を歩いていくトレインの後頭部を視界に入れながら頬が緩んだ…――
―――――――――――
うわぁああ!力が入りまくったわりには駄文ですまない!!会話文だけ書いてる紙からぽちぽちと時間かけて…長くなったよww
さくら、アンケリクありがとう^^
設定
二人は高校2年でクラスメイト。基本的にはいつもつるんでる。原作沿いよりも仲良し感は高くて過去のいざこざもない、クリーンな関係。それでもやっぱ付き合ってはいない。
キョーコとイヴは高1というかなり無理のある設定(笑)
受容があればもう少し設定を作り込んでパロシリーズ化したいなぁと思っています!!
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