独りのエンドロール[杏ほむ] 終わらせ方なんて分からない。 私がこう言ったら、あなたはきっといつものように笑うのだろう。 私には終わらせ方なんて分からない。 必ずあなたの居なくなる世界も、まどかを救う事のできない袋小路も、魔法少女としての運命も。 終わらせる事ができるのか…それすら私には分からない。 むしろ段々と深みに嵌まっていくようで、そんな自分に吐き気すら覚える。 「こんな感覚…とっくに慣れたはずなのに。」 私の世界から赤色が無くなる。そんな事はもう何度も経験している。 優しくてお節介な彼女だから、毎回誰かのために命を落とす。 馬鹿馬鹿しいだなんて初めは思ったものだ。しかし、杏子のそんな所に私は惹かれていった事を自覚した時から、そんな最後も彼女らしいと思えるようになった。 終わらせる事のできないこのループの中で、きっと誰よりも杏子の死を見てきた。それと同時に彼女の純粋で不器用な優しさにも、沢山触れてきた。 杏子の些細なクセも、好きなお菓子の銘柄も、はにかんだ笑顔も、綺麗な髪の感触も……何もかもを知っている。 知らないのは、おそらくたった2つだけだ。終わらせ方と、もう一つ。 「杏子、あなた気がついてる?」 「あなた、毎回死ぬときは私の前で死んではくれないのよ。」 それってどういう意味なの? と呟いてから小さく笑った。 この終わりゆく世界で一人、あなたを思いながら。 ・*・*・*・*・*・*・ 携帯のメモから出てきたネタ。 ほむらは、段々と杏子の暖かさに触れていけばいいと思います。 杏子は聖女だから、多分さやかを救ったみたいに、違う時間軸でも色んな人を救ってると予測。魔法少女に限らずね。 そんな杏子にもやもやするほむらが書きたかったはず…なのに…あれ? 私の前で死なない〜とかの辺りは多分捏造。居たっけ?という感じなので覚えてないです。 [*前へ][次へ#] |