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曖昧ライフにピリオドを[杏ほむ]

「ほむら、アレとって。」
「ほら。」

その曖昧な一言だけで、私は杏子に傍にあったお菓子を渡す。
杏子はにこりと笑って、ありがとな、とお礼を言い、再びテレビへと視線を戻す。

彼女…佐倉杏子が、私の家に居るようになって今日でちょうど一週間が経った。
その間、お互いに言い争いもあれど、何故かいい関係を築けつつある。


「なぁ、ほむら。それとってよ。」
「駄目よ。貴女はお菓子の食べすぎね。」
「…ちぇっ。分かったよ。」

再びお菓子をねだろうとした杏子に、私が咎めると、彼女は名残おしそうにお菓子の入ったスーパーの袋を見つめるだけだった。

私は少しづつ、この杏子という日常のイレギュラーな存在に慣れつつあった。
あれだのそれだのといった、曖昧な言葉を多用する杏子が、今何を指して言ったのかも段々とわかるようになってきた。また、彼女の生活のリズムに合わせるように、私も規則正しい生活を送るようになった。

「ねぇ、杏子。」
「なんだい?」

テレビを食い入るように見ていた杏子は、ちらりとこちらを見た。
それに何故だか気をよくした私は、さらに言葉を続けた。

「杏子はどこから来たの?」
「どこって何がだよ。」
「別に少し気になっただけよ…。別に答えなくても…」
「なに?早く出ていって欲しくなったかい?」


返ってきた全く的外れな答え。
私の方を見てだとか、貴女の事を教えてだとか、柄じゃないのは私も知っている。けれど、訳の分からない感情により、最近の私がやけに行動的になったのも事実だ。

「そんなんじゃ…ないわ…」
「あのさ。」
「…なによ。」


「あたし、ほむらさえよければ…このまま一緒に暮らしたいんだけど。」


彼女の久々の曖昧でない言葉は、私の中によく響く。



・*・*・*・*・*・

杏ほむで同棲とか。
杏ほむは、もはや夫婦でいいんじゃないでしょうかね…!

あれとかそれとかで、分かり合える関係って憧れます。曖昧にだらだらした関係もいいけど、やはり杏子は決める時は決める子かなぁ…と。ほむらは元がメガほむなので、その辺は割とヘタレだと予想。



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