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「メイコさん。」
「なによ、ルカ。」

そう言って振り向けば、何も身に纏っていない笑顔のルカがいた。


・*・*・*・


「ちょっと待って、落ち着きなさいルカ。」
「いや、全裸ではないです。ヘッドフォンは付けていますからご安心を。」
「黙りなさい。」


とりあえず何故ルカは服を着ていないのかを、考えてみる事にした。
確かに昨日まではキチンとあのよく分からない構造の服を着ていたはずだ。


「ルカ。あんた服はどうしたの…?」
「溶けました。」
「は!?と、溶けたってなんで?」
「漫画独特のご都合主義で生まれたあの溶剤……『服だけ溶けちゃう君』を使ったら、こんな感じに。」


ヘッドフォンは服じゃないので見逃してくれたみたいです、なんて笑うルカを本気で殴りたい。

それにしても目のやり場に困る。
ルカは変態とはいえど、女性としてかなり魅力的な体をしている。

引き締まったウエストに、白く滑らかな肌、そして大きな……



「メイコさん?いかがなさいました?」
「い、いやなんでもないわよ?」

内心焦りながら、けれど冷静をとりつくろい答えた。
まるで私まで変態みたいだ。ルカの体をじっくりみると、こちらまで恥ずかしくなってくる。


「とりあえず、服を着なさいよ。」
「だから溶けてしまって……」
「別のがあるでしょう。なんなら私のを貸すから。」

お願いだから服を着て、と付け加えるとルカは嬉しそうに笑った。


「メイコさんの服を貸していただけるなんて…!ふふ…メイコさんの香りに包まれて……」

我慢だ、我慢よメイコ。
今はルカに服を着せる事だけ考えなければ、私が後々自己嫌悪に陥る。


「じゃあ、服もってくるからそこで待ってなさいね。」
「はいっ!」


自室に服を取りにいくためリビングを後にしようとすると、カイトに会った。


「あれ?めーちゃん服は?」
「服って何が。あと今リビングには行っちゃだめよ。」
「なんで?」
「何かしらないけど全裸のルカがいるから。服が溶けたとかなんとか言ってたけど。」

するとカイトが不思議そうに言った。

「あれ、めーちゃんの服を溶かすんじゃなかったのかな……」
「は?どういう事?」


ハッとして逃げようとするカイトを捕まえて、事情を聞いた所、どうやらルカは溶剤は私に使うつもりだった事が分かった。
また入手したのはカイトで、それをルカに譲ったらしい。

どうやらルカはその配合を間違え、自分に使ってしまったようだ。


…本当にこの二人はどうしようもない。


・*・*・*・


「ごめんなさい、メイコさん!だってメイコさんガードが固くて…」
「ひいっ…!ご、ごめんね、めーちゃん!」


「……歯ぁ食いしばりなさいっ!」


その日は家中にルカとカイトの悲鳴と懺悔が響いたそうだ。





・*・*・*・*・*・*・

モリゾーさんリクエストの全裸ヘッドフォン×ドン引きルカメイでした!

おもいっきりギャグ風味ですが、大丈夫でしょうか…?
あとカイト登場すみません。
入れないと裏にいきそうだったので、登場して貰いました;

もうどうしようもないのは私です。

モリゾーさんリクエストありがとうございました!



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あきゅろす。
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