こ話
安全確保[ルカメイ]
仕事があり、ずいぶん遅くなってしまったが、お風呂に入ろうと脱衣所で衣服を脱いでいた所、ルカがやってきた。
「メイコさん、お風呂これからですか?」
「ええ。そうよ……ってあんた何してんの!?」
「何って……脱ぎたてのメイコさんの洋服を回収しようと思いまして。」
さも当然のように言うルカの手には、私がさっき脱いだばかりのTシャツ。
「変態。そして洗濯物を嗅ぐな。」
「そんな冷たいメイコさんも可愛いです。」
私がどんなに冷たい言葉を投げても、ルカには全くきかない。
むしろ完璧に喜ばせてしまっている。
まったく……なにも私にそんな事をしなくても、ルカならいくらでも恋人が作れるだろうに……。
その整った顔で優しく微笑めば、男なんて簡単に落ちてしまうんだから。
いや……まてよ。
「ねぇ。すごく言いにくいんだけど……」
「なんでしょう?まさか告白ですか!?」
「違うわよ。ルカって……女の人が好きだったりするの?」
ふと沸いた疑問を問い掛けてみると、ルカは一瞬曇ったような表情をした。
しまった傷つけた、と心の中で反省する。
「ご、ごめんなさい…。私デリカシーがないのよね。」
「……いえ。メイコさんがそんな事をおっしゃったので、驚いただけですから。」
「えっと……まあ、恋愛の対象は自由だし、いいと思うけど。だけど私にそれを向けられるのは、迷惑っていうか……」
「やっぱり自由ですよね!ありがとうございます!あ、それとですね……私はメイコさんが好きであって、女の人なら誰でもという訳ではありませんよ?」
どうやらこの変態の頭は、都合のいい部分しか聞き取れないらしい。
おかしいわね、最新型なのに。
「ちょっと聞いてますか?メイコさーん。」
「聞いてる。ついでに呆れてる。」
「……ああ、それと気が付いていらっしゃらないようなので、お伝えしますね。」
「な、なによ。」
息を呑む。
「メイコさん、誘っているんですか……?」
「は?」
一瞬思考がフリーズする。
見ると、私は脱衣の途中で、下着姿だった。
ルカが、下着のホックに触れたのを感じ、悪寒が走る。
「で、出ていけ!変態ー!」
とりあえずは、まず風呂場の安全を守ろうと固く心に決めたのだった。
・*・*・*・*・
オチらしいオチをつけようとした結果がこれだよ…!
分かりにくくなってしまってすみません。一緒にお風呂入れようとしたら、ルカ様が暴走したので、こっちを採用しました。
では、ここまで読んで頂いてありがとうございました!
(2010.11月拍手お礼小説)
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