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こ話
あなたしか見えません[ルカメイ]
※以下、拍手お礼小説です


派手なアクションと、鳴り響く大音響。

私とメイコさんは、今映画館に来ている。


今日は、メイコさんの好きな、宇宙物のアクション映画を見に来たのだが、
正直内容が全く頭に入らない。

その理由は…というと


「ちょっと。ルカ。映画見ないの?」

巨大なスクリーンを見ていなかった私を、不信に思ったのだろう。

不思議そうに私を見つめるメイコさん。
その下の方には、白くて柔らかそうな足。

そう、メイコさんは足を組んでいる。

だから?と思う方もいると思うが、あの短いスカートで足を組めば
いつもより太股があらわになる。

そのせいで、私は映画に集中できないでいるのだ。


「あの……メイコさん、寒くないですか?」

「はぁ?別に。それよりルカ。どうしたのよ、さっきから全然見てないじゃない。」
「い、いえ。そんな事はありません。」

と私が言うとメイコさんは、それならいいけど、と言い、再び視線をスクリーンに戻した。

そして私も再び、メイコさんの足に視線を戻す。
このままだと下着が見えてしまいそうな、短さのスカート。

他の観客の視線を伺うが、幸い、皆スクリーンに夢中だ。
誰もメイコさんのスカートには気がついていないようだった。

私はほっと胸を撫で下ろす。
そうこうしている内に、映画もいよいよクライマックスのようだ。
以前よりも派手な音楽が、劇場内に響く。
しかし
「ねぇ、ルカ?一体どうしたの?」
またメイコさんに気がつかれてしまったようだ。
「本当になんでもありませんわ…」

「……もしかして、この映画つまらなかった…?」
不安そうに聞いてきたメイコさんは、なんとも可愛らしかったが、この誤解だけは避けたい。

違います、楽しいですわ、と答えたが、メイコさんは引き下がろうとしない。

けれど、すぐに気がついたようで
「……あ。スカートが……」
とメイコさんは赤面した。
そして足を組むのをやめ、足を揃えた。

「もしかして、ルカはさっきからこれを気にしてたわけ?」

「ええ…他の方にもしも見られていたら、と思うと……」

「……馬鹿ねぇ。」
そういって小さく笑うメイコさん。
そして少し恥ずかしそうに、口を動かした後、すぐにスクリーンの方に向き直ってしまった。



けれど、私には派手な音楽に混ざることなく、確かに聞こえた。

ありがとう、と。



顔が熱くなるのを感じる。

「……やっぱり、映画には集中できそうにありません…」

小さく呟いてみた。
幸いメイコさんはこちらには気がついていない。



そっと微笑む。


――だって、貴女が隣にいるのですから





・*・*・*・*・

思いのほか長くなってしまった…
映画よりもめーちゃんが気になるルカさん。


ここまで読んで頂いてありがとうございました!

(2010.8月拍手お礼小説)




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